五重塔
天長3年(826年)空海による創建に始まるが、実際の創建は空海没後の9世紀末であった。
雷火や不審火で4回焼失しており、現在の塔は5代目で、寛永21年(1644年)、徳川家光の寄進で建てられたものである。
初重内部の壁や柱には両界曼荼羅や真言八祖像を描き、須弥壇には心柱を中心にして金剛界四仏像と八大菩薩像を安置する。
真言密教の中心尊であり金剛界五仏の中尊でもある大日如来の像はここにはなく、心柱を大日如来とみなしている。
諸仏は寛永20年(1643年)から翌年にかけての作で、江戸時代初期の作風を伝える。初重内部は通常非公開だが、特別に公開される場合もある。北にある池は瓢箪池といい、五重塔とともに池泉回遊式庭園の要素になっている。
金堂(国宝)
東寺の中心堂宇で諸堂塔のうちもっとも早く建設が始められ、東寺が空海に下賜された弘仁14年(823年)までには完成していたと推定される。
当初の堂は文明18年(1486年)の土一揆で焼失し、その後1世紀近く再建されなかった。
講堂(重要文化財)
五仏(講堂安置)のうち大日如来と阿弥陀如来(手前)
重要文化財。金堂の背後(北)に建つ。
東寺が空海に下賜された弘仁14年(823年)にはまだ建立されておらず、天長2年(825年)に空海により建設工事が着工されて、承和6年(839年)に完成した。この頃は講堂と金堂の周囲を廻廊が巡る形をとっていた。
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