駒場野公園
この公園は、東京教育大学(農学部)の跡地を利用して作られました。面積は2.8haあります。園内にはスポーツ施設、プールの水を利用した流れ、原っぱ、ケルネル水田、果樹園、雑木林、池などがあります。野鳥や虫を楽しめる公園にしていくために、雑木林の一部と池がサンクチュアリーになっています。
ケルネル田圃は、旧駒場農学校の実習田です。駒場農学校は、明治政府が近代農学に基礎を置く欧米農法を取り入れるために、農業指導者を養成する学校として明治11年に設置されました。札幌農学校がアメリカ系統の農業技術を導入したのに対して、駒場農学校にはドイツ系統の農学が取り入れられました。
ドイツ人オスカー・ケルネルは、駒場農学校の教師として招かれ、日本農業の特質を配慮しながら農芸化学を応用した実験を中心に土壌、肥料などの研究と教育を行い、多くの成果を収めました。
ドイツ人教師ケルネルの名を付けたケルネル田圃は、新しい日本農業の指導者を育てた駒場農学校の実習地の跡として貴重な史跡です。
なお、駒場農学校は、後に東京農林学校となり、東京帝国大学農科大学等を経て筑波大学に継承されました。
現在、ケルネル田圃は筑波大学付属駒場中学校、高等学校により教育水田として生徒が実習しています。