北沢川文学の小路
北沢川緑道の環七宮前橋から、淡島通り大石橋までの約一キロ区間。
東京世田谷下北沢地域一帯には多くの文学者が居住していました。
坂口安吾、萩原朔太郎・萩原葉子の文学碑があります。
北沢川緑道は、上流は赤堤から下流の代田・代沢・池尻までの延長約4.3キロで、かん木や雑木類が植えられ、四季折々の花が咲く緑の遊歩道となっています。
せせらぎの水源は、東京都下水道局落合水再生センター(下水処理場)で、水質を向上させて処理した再生水(高度処理水)を利用しています。
萩原朔太郎・葉子と大他の岡の61号鉄塔
ここ鶴ヶ丘橋袂から眺められる丘状の鉄塔には歴史があります。昭和元年(1926)に建ったもので。当時緑豊かなこの地に堂々と聳え立つ銀色の塔は都市近郊を象徴する景観でした。
この塔のすぐ下に昭和8年、自らの設計による家を建て、居住したのが萩原朔太郎でした。鋭く尖った三角屋根の家は、鉄塔を意識して設計されたものでしょう。
詩人は、故郷前橋で電線の青い閃光を眺めては東京都恋い慕いました。「定本青猫」の「自序」にはこうあります。
都会の空に映る電線の青白いスパークを、大きな青猫のイメーヂに見ている
萩原朔太郎
かつては当地の高圧線の碍子も青くほのめいていたといいます。