目黒区駒場10

旧前田家本邸です。

絨毯の下には寄木の床があります。

次の間

書斎の全室で、内装も書斎とほぼ同じです。洋間の造りに合わせた床の間を備えています。床の間の壁紙はサルブラ者(スイス、当時)のもので、鈍い金彩を放っています。

次女居室書斎の付属室(図書室)として計画された部屋で、壁一面に書棚が取り付けられています。青いタイルのマントルピース、天井の星型の中心飾り、十二角形の変わった以上のシャンデリアが特徴的です。次女の居室として使用されていました。

マントルピースです。

三男の部屋です。三男は普段、現在の板橋区加賀の下屋敷に住んでいました。前田家だから加賀という地名が付いたのです。江戸時代に加賀藩の約21万坪におよぶ広大な下屋敷がありました。そして、中屋敷は新宿の大久保邸にありました。三男は、日常は大久保邸で教育を受け、休暇の時だけ、この屋敷の部屋に住んだそうです。右側の壁が出っ張っているのは、戦後エレベーターを作ることになったためだそうです。当初の壁紙は、水辺の柳などアジア的なモチーフであったようです。

三男の居室は元々は、予備の客室として計画されたようです。

夫人室

菊子夫人の居間で、家族団欒の場でもありました。鏡付きの優美なマントルピースには小菊模様のグリルをはめ、三連アーチの窓や格子天井もやさしい雰囲気です。

カーテンや絨毯は紫色で、壁紙も華やかなダマスクの大柄を用い、邸内で最も華麗な部屋であったといいます。