日本近代文学館です。
日本の近代文学の資料は、敗戦から立ち直り経済成長へ向かう、激しい社会の変遷の中で、散逸しつつありました。それを憂えた高見順、小田切進ら有志の文学者、研究者が、文学資料を収集・保存する施設の必要を広く訴え、1962年(昭和37年)5月、設立準備会を結成、翌1963年4月、財団法人日本近代文学館が発足しました。
その動きは大きな反響を呼び、1万5千人にのぼる人から資料の寄贈や建設資金の寄付などの支援を受け、1967年4月、この建物が開館しました。
2007年9月、資料の増加に伴い、千葉県成田市に分館を建設しましたが、その資金も、すべて募金によるものです。
旧前田家の本邸です。
旧加賀藩主の系譜をひく第16代当主前田利為の本邸であった建物です。
本邸の絵を描く人がたくさんいます。
以前は、前田家本邸は本郷区(現在の文京区本郷)にありましたが、関東大震災後の復興計画で駒場に移転しました。投手の前田利為は外国生活も長く国際的見識の高い文化人でした。そのため、シンテイ建築にあたっては、外国要人の施設迎賓館にふさわしい建物を希望し、設計を東京帝国大学の塚本靖教授に依頼しました。実際の設計は技師の高橋禎太郎が担当しています。
洋館の規模は、地上3階、地下1回で建築面積は1129㎡です。昭和4年に竣工しました。鉄筋コンクリート造りで、外壁はスクラッチタイル張り、アクセントに石材を用い、屋根は銅板葺です。
和漢は、洋館に付属する迎賓館として昭和5年に竣工しました。