旧前田家本邸です。
公爵夫人の寝室で、壁紙は金銀の色彩です。枕元には前田家当主の守り刀が置かれておりその両脇の小窓は透かし彫りを施した豪華なものです。ベッドやキャビネット等の家具の多くは、ロンドンの高級家具店であるハンプトン社で誂え、船便で送られました。
夫婦の寝室です。枕元には刀が置いてあります。寝るとき枕もとに置く護身用の刀のことです。
三女居室菊子夫人のための化粧室で、広い押入れが二つ付属しています。そのためかラジエーターグリルのみでマントルピースはありませんでした。円弧状の張り出しに三連アーチの窓を配した優美な部屋で、天井の縁回しシャンデリアも優美なものです。後に三女の居室として使用されました。
衣装室です。
この扉には工夫がしてあります。
二重ガラスになっていて、断熱、結露防止の役目をしています。
女中部屋です。女中とは言っても、格式の高い家から花嫁修業のために来ています。従って、普段から公爵や侯爵夫人と接触があり、風呂場では公爵夫人の裸も見ています。一方、この建物の地下には厨房がありますが、そこで働く人達は、公爵や侯爵夫人の顔を見ることはできません。
会議室です。公爵は軍人でもありますから、ここで会議をすることがあります。軍人は平民ですから、床も寄木ではなく普通の床です。
会議室の向こうには、家族が歩く廊下がありますが、この会議室より一段高くなっています。平民である軍人は向こうの廊下にはいくことができません。向こうは家族、こちらは平民ということです。