番町九段3

東郷坂

東郷元元帥邸の西側に当たるこの坂は、明治38年(1905)10月、当時の麹町区会の議決により命名されました。昔は東郷坂のところを法眼坂、それから南法眼坂に続いていたかもしれません。

江戸時代、この坂の脇に斎藤法眼という医師の屋敷があったことから名づけられました。法眼とは層の階級の一つであり、また江戸時代、医師、絵師、連歌師などに授けた称号のことです。

千代田区立四番町図書館です。

袖摺坂

現在では幅の広い道となっていますが、かつては行き交う人の袖と袖が摺れるほど狭かったことから、名付けられました。明治時代、付近には作曲家の滝廉太郎や小説家・詩人の国木田独歩などが住んでいました。

滝廉太郎居住地跡

滝廉太郎は、この交差点から西に100mほどの所に明治27年ごろから34年4月まで居住していました。今日でも愛唱されている名曲「花」、「荒城の月」、「箱根八里」、「お正月」、「鳩ポッポ」等は、そこで作られました。

滝廉太郎は、明治12年(1879年)東京に生まれ、幼少期より音楽に対する才能を示し、明治27年東京高等師範学校附属音楽学校専修科(後の東京音楽学校)に入学しました。

明治34年、文部省の留学生としてドイツのライプチヒ国立音楽学校に学びました。しかし、病気になって帰国し、大分の父母の下に帰り療養しましたが、36年死去しました。