中目黒10

十日森稲荷神社

この神社は元々五本木の旧家である島崎佐五右衛門の邸内にあった屋敷神をこの地へ移したものと伝えられていて、旧上目黒村五本木組の鎮守でした。五本木田圃の豊作守護神としてあがめ、信仰のもとにこの神社を祀って来ました。

蒼稲魂命を祭神として今もこの地域の人々に深く崇敬され、毎年秋には例祭が行われています。十日森の由来については、稲荷神を祀った森である「稲荷森」から「十日森」になったという説があります。

現在の本殿は明治17(1884)年の建築で、拝殿は昭和32(1957)年に建てられました。

五本木庚申塔群

小堂内に庚申塔4基、地蔵尊1基、堂前右手前に念仏塔1基、堂外左後方に庚申塔1基が建っています。青面金剛、日月、二鶏、三猿などが浮き彫りされ、貞享3年(1686)から文化7年(1810)にかけての年号や五本木組庚申講中の氏名が刻まれています。ここにある庚申塔群は作柄や保存状態が良く、江戸時代中頃から全国の農村で盛んになった庚申信仰を知る上で重要な資料であり、初めに建てたと思われる場所に残っていることも貴重です。

庚申信仰とは、60日に1度の庚申の日に青面金剛の掛軸などを祭、会食懇談しながら徹夜する民間信仰で、これを18回終えた後に供養として建立したのが建立等です。

なお、五本木庚申塔群の前の道は鎌倉へ通じる古道の鎌倉道であったと伝えられています。